劇団「兄貴の子供」第3回公演『流れ星だ。』の稽古が連日行われている。
渡は今回で3回目の出演である。劇団員ではないけれど、毎回出演させてもらっている。
そして、今回主演を務めるのは、コメディストアのメンバーでもある「依田哲哉」。
今までの兄貴の公演では、依田は演出助手だった。幼なじみであり劇団の主宰である小田学は毎回依田に出演依頼をするのだけど、依田は頑に首を縦に振らなかった。なぜか?
1、主宰の小田が嫌い。
2、劇団員の山本が嫌い。
3、二人の口臭が半端ない。
他にもいくつもの理由があって、出演は断っていた。「じゃあせめて」というやりとりがあったかどうかは分からないけど、過去2回の公演は演出助手をやっていた。
演出助手。
演出助手とはどういうものなのか?
劇団によっていろいろ定義は違うのかもしれないけど、ようは演出家をサポートするために、時には雑用、時には役者のケア、時には代役。などなど何でもする、頼もしいやつ的存在。それが演出助手。だと渡は思っている。
では
演出助手依田哲哉はどうだったか。
基本は稽古よりバイトが大事というスタンスは崩したことがない。そして稽古場がどんなに緊迫してようが、「私はまったく関係ありません」どころか、ニヤニヤしているのである。「この芝居がお寒いことになったらどんなに良いだろう」と腹の中で思っているのである。実際口で言ってたことがあるのである。
気負いゼロ。それが演出助手依田哲哉。
まぁ、そんな部外者的な感じが、時に役者をリラックスさせる結果になったこともあるのだけれどね。
そして、これもどんなやりとりがあったのか分からないけど、今回!主役依田哲哉が誕生したのである。
主演依田哲哉はどうか?
気負い100。0から100への大ジャンプ。
主演で、初めての女優さんとの絡みや、初めての舞台での小田演出。
今まで、部外者的な感じで笑っていたのが、思いっきり矢面に立ったのである。
どんなプレッシャーが彼を襲ったのだろう。
稽古初日は、顔面が麻痺していた。
小田が「硬いよ!いつものバーン!てやつやってよぉ!」
と言えばいうほど、顔面がオカシイ感じに痺れていく。
なんとかしようとするけれど、どうにもならない。
小田「全然ちげえ。全部ちげえよ。今の500倍くらいパワー出してやってよ」
人一倍繊細な心が壊れるのにそう時間はかからなかった。
稽古が始まって10日ほど経った。
その日も「小さい。小さいよっ。なんでだよ!バーン!!まー!バーン!!だよ!」
と色々言われ稽古が終わった。その帰り道。
依田と二人で駅に向かって歩いていた。
依田「わたちゃんわたちゃん」
渡「ん?」
依田「俺ね、こないだね、ふふ」
渡「ん?どした?」
依田「夜中の〜2時過ぎかな?」
渡「うん」
依田「一人でバイクに乗ってね」
渡「。。。うんうん」
依田「相模湖にいったん」
渡「。。。。」
依田「真っ暗でさ。山だしさ」
渡「。。うん」
依田「目の前をイタチが通ってさ!フフッ」
渡「。。。。。。」
依田「ンフフ」
渡「依田」
依田「うん?」
渡「何のためにそこにいったん?」
依田「あー、あのね、文明がないさ、ほら、あるじゃん、先のこと考えられない所に身を置いてみる的なね」
渡「。。あー」
依田「で、そのあと、自分が初めて一人暮らししたアパートにもいってね、ジーってアパート見たりね、してたん!ふふ!」
今回の作品、コメディである。演出は蜷◯幸雄でも黒澤明でもなく、幼なじみ小田学である。
しかし、今の依田哲哉には「朝ご飯何食べた?」でも恐ろしいダメだしに聞こえるんだろう。自分は朝ご飯食べてないからダメな人間なんだ!とか、健康のことを考えてない役者なんてダメだ!なんて考えてしまうのだろう。恐らく自分の想像力で自分を必要以上に苦しめてしまっているのだろう。
そう思った次の日の稽古。
小田「だぁかぁらぁ〜!もっと大きく!!!」
小田「もう一回!」
小田「もう一回やって!」
小田「まだできるな。もう一回!」
怒濤の稽古。依田も必死。渡はできるだけ遠いところから「いいよー!」と声にならない励ましフェイスを送る。そのフェイスでかろうじて息を吹き返す依田。
小田「はい。まぁ、後は、その40倍くらいやってくれれば良いと思いまーす。じゃあ、今日はこのへんで、お疲れさまでしたー」
皆が帰る準備を始める。渡も準備をしようと畳から腰をあげようとした
その時
依田が走りよってきた。笑顔で走りよってきた。座っている渡の目の前に立ちはだかった。
渡「?」
そして、後ろを向いて、
他の人には誰にも気付かれないように
渡だけに見えるように
ズボンと
パンツを
脱いだ。
渡の目の前に
依田の
肛門
がある。
稽古終わりで、目の前に、肛門。夏の現象か?とにかく笑うしかなかった。
依田が振り返り
依田「あれぇ〜?見ちゃったのぉ〜。ねえ、見たんでしょ〜。ムフフフフ〜」
芝居は人を壊します。活かしもします。
依田が見違えるように良くなるのは、その後のことです。
人に肛門を見せると、何か変わるのかも知れない。
見せられた渡が最近不調です。
はやく肛門を誰かに見せないと。
ババ抜き的ジンクス。
とにもかくにも、残り2週間を切りました。面白くなってます!
是非見に来てくださいね〜☆
劇団 兄貴の子供第三回公演 @下北沢OFFOFFシアター
『流れ星だ。』
日程:2008年8月14日(木)〜17日(日)
※開場は開演30分前です。
料金:前売り、当日共に、2,000円
あらすじ:
「はい、そうですか」と簡単に引き下がれる程、僕の想いはヤワじゃないんだよ本当は、
と思っております、今現在、宇宙の片隅で、、田中25歳。
出演:
虻出マテオ 小笠原結 北之内直人(ミチコイスタンブール) 高田郁恵(毛皮族)
依田哲哉(東京コメディストアジェイ) 渡猛(東京コメディストアジェイ) 山本圭祐
スタッフ:
作・演出:小田学 舞台監督:高橋京子 音響:星野大輔 照明:古川睦子
美術:笹野茂之 制作:石井理恵 演出助手:藤原千代 宣伝美術:秋元養子
協力:
ダックスープ / 毛皮族 / 東京コメディストアジェイ
http://www.k2.dion.ne.jp/~kaeru25/index.html(PC)
ほなー。
最近のコメント