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2011年6月 3日 (金)

230円で学んだこと

お気に入りの定食屋がある。

ランチ時は500円でありながら、ご飯、味噌汁、豚生姜焼き、野菜、漬物、卵がついてくる。

こないだなんかは、ご飯をちょっとおかわりした。

親父さんは絶妙にちょっと盛ってくれて実にちょうど良いおかわり具合なのである。それでも500円である。

良い。実に良い。

今日も朝から活動し、昼過ぎから両国にて勤務なので、力をつけるべく定食屋に。

昼前に行ったせいか、誰もいない。 いつもの豚生姜焼き定食を頼む。

親父はいらっしゃいませも言わず、料理を出す時も何も言わない。さすがにそれはどうだろうと思うがまあいい。

いつも「あ。すいません。卵ください、へへ。」 と言わないと出てこない無料サービスの卵が最初から出てきた。 2、3日前にも来たから渡が卵を所望することを覚えてくれていたんだ。。と少し親父に感動する。

「ごめんな。さっき挨拶しないとか文句言って」 と頭の中で謝罪する。

そんな親父の優しさも加味しながら生姜焼き定食を食す。モリモリ食べる。 前回食べた時、ご飯ちょっとだけおかわりしたから、それもふまえてオカズとのバランスを考えながら食べていく。おかわりの時に卵を使おうと心に決める。

しかしどうしたわけだろう?

一杯目のご飯がなくなるころ意外と腹が膨れている自分に気づく。なんだか満足すらしている。 しかし、オカズは二杯目のことも考えていたのもあってまだしっかりと残っている。卵も未使用。 これは、、おかわりをそうとうちょっとにしてもらわないといけない。

時間が経つに連れて満腹度が増していくので、ご飯をかっこむ。

その間にお客さんが三人ほど入る。

親父「へい!いらっしゃい!」

渡「?!!」

わりかし大きめの声、そして笑顔。

心の中に何がしかのモヤっとしたものができるが、見ないようにした。 ご飯を食べている時に嫌な感情はできるだけ排除したい。 なによりも早くおかわりを注文しないと満腹になってしまう。

タイミングを見計らって親父に 「あ。すいま、」 と発声した途端、親父は他のお客さんに料理を出そうとしていた。渡は全力で声をフェードアウトした。 親父が料理を出し終わると、何事か?といったような顔で渡を見た。

渡「あ、すいません。へへ。ご飯をですね。ちょーっとだけいいですか?ふふ」 と頼んだ。

その時も親父は何も言わず茶碗をとり厨房へ消えていった。 奥でゴトゴト音がして、戻ってきた親父をみて唖然とした。 ご飯がてんこ盛り。 日本昔話?くらいの盛り方である。

親父どうした?体調悪いのか?

渡「あーすいません。あのー多過ぎます、、ね」

と、喉元まで出ていたが声になることはなかった。 言ったところでご飯を元に戻すことはできないのだから。渡が食べれば良いのだから。

深呼吸して集中する。

卵をご飯にかけ、大口でいただく。豚肉もサクサクっと食べる。 あっという間にたいらげる。お腹パンパン。 いやしかし、とっても満足。 帰ってコーヒー飲んで出かける支度をしよう。

財布を取り出し小銭口を開く。ちょうど良く100円玉が5枚あった。 それを片手に握りしめ、たいらげた食器を重ねて厨房の棚に置く。 親父がやってくる。

そして親父は渡に対して初めて口を開いた。




親父「はい。730円」



親父に差し出していた拳は静止。渡の脳も機能を停止。椅子に座ってはいたが膝がくの字に曲がり腰がくだけた。白目になっていたかもしれない。 730円?? 機能停止寸前の頭の中で必死に正当化が始まる。

「なるほど。おかわりのご飯がプラスで230円ね。なるほど。なるほど」

すぐに財布からお札を取りだし親父に渡し、サッとお釣りを貰って店を出る。 颯爽と自転車に乗り家まで走る。

その道すがら渡を支配していたのは、満腹感でなく完全なる敗北感であった。

キャバクラでぼったくられたような、そんな経験ないけど、そんな類の敗北感。

チビ渡1「白米おかわりで230円なわけないじゃん!」

チビ渡2「こないだお代わりした時は普通に500円だったじゃん!」

と、渡を責める小っちゃい渡に

渡「うるさいうるさい!あんときはちょっびっとだったから!今回はキッチリしっかり大盛りだったから!盛り方が綺麗だったから!」

と反論する。

チビ渡1「なんで聞かなかったの?へたれー!へたれー!」

渡「いいのいいのー!聞いたら変な空気になって他でご飯食べてる人達が何か嫌な気持ちになるでしょ?!」

チビ渡2「言い訳ー!偽善ー!」

渡「ちがわいちがわい!」

チビ渡2「じゃ聞きなよ!」

渡「い、いいよ」

てことで、家に帰り出かける支度をし、再び自転車に乗り定食屋の前へ走る。

渡「あのーランチ時って白米お代わりしたらいくらですか?」

親父「あぁ?」

渡「あ、、いや、あの、ご飯いくらですか?」

親父「なんの?」

渡「白米の」

親父「うるせえバカやろーこのヤロー!」

なんてことになったらどうしよう。。? それ以上に

親父「白米のおかわり?タダだよ」 ってなったらどうしょう。

渡「え?じゃあ何で730円だったんですか?」

親父「テンパだからだよ!テンパ代!」

常連客「そりゃいい!あーっはっはっは!」

てことになったら。。 と、ありえないシチュエーションに怯える渡。

でも、ここは一つ!勇気! ってことで、お店前に到着。 まだランチ時だったので、お客さんも多かった。 お店前に出ている看板にも、店内に書かれているメニューにも白米230円の文字は見えなかった。

しかし、なんだか冷静になった。

自分の中で店の前にいったってことで、なんだか落ち着きを取り戻したようだ。

それもあるし、お客さんもいるしで、中に入らず駅へ自転車を向ける。

チビ渡1「いいのー?」

渡「いいのいいの」

チビ渡1「とりあえずお店の前までいったしね」

渡「うん。今度食べに行った時にいくね」

チビ渡2「はーい」

230円を取り返すとかじゃなく、自分が納得できるとこまでやるってのが大事なんだねーっと、 恐ろしいほど些細なことから思ったのでありました。 でも渡が次定食屋に行ったら聞いてみよう。

単純に興味で。

ほなー。

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