« 梅雨だくの恋 〜2〜 | トップページ | スイミンブソク »

2007年8月18日 (土)

梅雨だくの恋 〜3〜

バイトを始めて3日目。

その日、Oさんは休みだった。

そとは雨。そのせいかお客さんもあまり来ない。

お客さんのいない時間、Iさんと渡は他愛もない会話をした。

ふとした沈黙。その時にIさんは、まだ眠気がとれぬ体を起こすため、背伸びをした。

そして、渡は見た。いや、見逃さなかったと言ったほうが正確かもしれない。

グッと両腕を上に突き出し、それにつられてTシャツも上に上がった時のIさんのお腹を。

そのお腹の中心には、ピアスが輝いていたのである。

ギャル的雰囲気もない、年齢のわりには落ち着いた雰囲気のある(そう、Iさんは20歳だったのだ)文化系な雰囲気のあるIさん。

そんな彼女のお腹からピアスが発見されたことは、いささか渡を驚かせた。

見てはいけないものを見てしまった時のような感覚に落ち入り、なぜかそのことをIさんに伝えなかった。

その落ち着かない気持ちはバイトが終わりに近づいても、あった。


そのとき、KAくんがきて

KA「そろそろ上がりましょう。タイムカード押しときましょうか?」

渡「あ、、KAくん、ちょっと」

KA「あ、はい?なんですか?」

渡「あのさ、知ってるかな?Iさんのアレ」

KA「え?何ですかなんですか?」

渡「ヘソピ」

KA「。。。」

渡「ヘソピアス」

KA「え!!??ホントに!」

大声を出したからか、KUさんもヌッと現れた。

KU「どうしたんすか?」

KA「いや、知ってた?Iさんの」

KU「なんすか?」

KA「ヘソピ」

KU「。。。」

KA「ヘソピアス」

KU「ええ!??ホントに!!」


渡、バイト3日目。

KAくん、KUさん、バイト一年以上。

なのに、この二人は知らなかったのである。

なんだか、とんでもない秘密を共有した男三人。


「いやーあのIさんがねー」「人ってやつは見かけによらないっていうかね」「痛いのかね」「ヘソピって言うんだね」「秘密なのかね?」「乙女のアレかね?」「じゃあ、たぶん秘密なのかもね」

色々、不毛な会話が繰り広げられた。


ふと見るとIさんが立っていた。

I「何話ししてるんですか?」

三人「。。。。」

I「なんですか?ジロジロ見て怖い」

渡「。。。。」
KA「。。。。」
KU「してるの?ヘソピ」
渡「!!!!」
KA「!!!!」

I「え!何で知ってるんですか?」

KU「渡さんが見たって」
渡「!!!!!」

I「え?いつ」

渡「そりゃ渡くらいになると、分かりますよ(開き直った)」

I「ええ〜。あ、背伸びした時か」

渡「はい」

KA「いや、僕ら全然知らなかったから」

I「あ、やってるんですよ。ちょっと前に開けたんです」

三人「ああそうなんだ」

I「はい。じゃお疲れ様でした〜」

三人「おつかれ〜」

ヘソピなんてそんなこと、本当にたいしたことじゃないのよ。おじさん達。

くらいの当たり前感で言われたため、男三人の「秘密を共有している」という訳の分からない結束感はあっという間に消え去った。そうだ。ヘソピなんて当たり前なんだ。20歳過ぎたらみんなやってるんだ。

しかし、このヘソピがきっかけで

事態は急展開することを、まだ誰も知る由もなかった。

|

« 梅雨だくの恋 〜2〜 | トップページ | スイミンブソク »

恋愛」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/418278/7577810

この記事へのトラックバック一覧です: 梅雨だくの恋 〜3〜:

« 梅雨だくの恋 〜2〜 | トップページ | スイミンブソク »